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タブレットの活用|「教える授業」から「考える授業」へ変化する学習の取り組み



昨今の急速な情報技術の発展やグローバル化に伴い、生徒たちの取り巻く環境は大きく変化しています。変化の激しい環境の中で生きる生徒たちは、「学び」において、確かな学力・健やかな体・豊かな心のバランスをとりながら生活することが、重要になってきています。

学びの場である学校において、情報通信技術(以下、ICT)を活用した取り組みを行うことは、生徒たちにとって必要不可欠になります。


文部科学省では、2020年度に向けた教育の情報化に関する総合的な推進方策である「教育の情報化ビジョン」を平成23年4月に打ち出し、さらに総務省と連携をとり同ビジョンに基づいた「学びのイノベーション事業」を実施、21世紀を生きる生徒たちに求められる生きる力を育む教育の実現を目的とした取り組みが行われてきました。


本記事では、学校におけるICT活用、タブレット端末を活用した「学び」を紹介していくとともに、その注意点を考えていきます。


目次

 



1. ICTの活用の現状

 

学校におけるICTの活用は、情報通信技術を利用した教育活動全般にあたります。

電子黒板を使った授業や、タブレット端末を使った各教科の課題への取り組み等、様々な活用方法が考えられます。

加えて、生徒の出欠確認・検温・健康観察、学習資料のデータ化も可能なロイロノート(株式会社LoiLo)や学生の学校生活を記録するClassi(Classi株式会社)など、学習だけでなく生徒自身の管理の用途で利用されるサービスも展開されています。


様々な情報をリアルタイムで共有できる環境になりますので、ICT化を進めていくことが生徒や保護者だけのためでなく、教職員の業務負担軽減にも繋がる可能性が大いに考えられます。


参考:ロイロノート(株式会社LoiLo): https://n.loilo.tv/ja/

   

   Classi (Classi株式会社):https://classi.jp/



2. 1人1台端末の活用について

 

文部科学省が実施した「学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(概要)」によると、令和3年3月1日時点で教育用コンピュータ1台当たりの児童生徒数が1.4台になり、1人1台端末も当たり前の時代に突入していることがわかります。

これは、令和元年に開始された「GIGAスクール構想」が大きな要因として影響していると考えられます。



さらに、「教室内の無線LAN整備率」「インターネット接続率」も近年大幅な上昇を見せています。



下図は、学校種別ごとのICT環境の整備状況です。

出典:文部科学省

「令和2年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(概要)」抜粋


小中学校に比べて遅れをとっている高等学校ですが、令和4年1月1日に文部科学大臣・デジタル大臣からのメッセージにあるように自分専用の端末で学んできた中学3年生が進学するため、高等学校においても1日も早く環境を整備することが「学び」を止めない、「誰一人取り残されない」デジタル社会の実現のためにも極めて重要になってきます。

このような要因から高等学校も近年中に整備が進むことが予想されます。


参考:文部科学省(高等学校における1人1台端末の環境整備について)


それでは、実際にどのような形で活用されているか実例を見ていきましょう。



3. タブレット端末を利用した活用事例と効果

 

ここでは、タブレット端末を活用した事例とその効果をご紹介します。

 

事例1 スクールマイスター#の利用

 

【タブレット(スマートフォン)を使った出欠管理、お知らせ、アンケート】

約400名の生徒を持つA校では、生徒の出欠を電話で受けて出欠管理用のシートに手書きで記入を行っており、学校行事のお知らせや三者面談シートの管理も紙媒体で行っていた。校務システムはすでに活用していたため、さらにタブレットやスマートフォン端末を活用した業務の簡素化と正確な情報発信を考え、端末導入に踏み切った。


◎効果:大幅な時間短縮とコスト削減

タブレットを利用して教室での入力が可能になったことや、学校行事に関する保護者向けのお知らせをメール等で配信できるようになったことで、大幅に時間を短縮することができた。

また、アンケート機能を活用し、三者面談の日程調整や進路希望などのこれまでの書類作成・回収の手間が不要になり、コスト削減に成功した。

 

事例2

 

【iPadを使って、みんなで授業を創る】

従来の授業では、先生一人が数十名の生徒に一斉に授業することが主流。また、教科に対する興味・関心が生徒によって様々で、学習進度もバラバラだった。ICTの活用で学習進度を改善したいと考え端末を導入した。


◎効果:生徒に合わせた学習が可能になった

家庭環境でも使い慣れているiPadを導入することで、分からないことを直ぐに調べることができ、学習進度のムラをなくすことができた。

さらに生徒ごとに関心のある授業の内容を把握することで、個人に合わせた学習方法を促すことにも成功した。


上記は一例ですが、タブレットを活用したことによって生徒・保護者・教職員すべてにおいてメリットがあったことが明確です。



4. タブレットを導入・運用する際の注意点

 

正しい使い方をすることで教育現場では有益となるタブレット導入ですが、インターネットに関する知識やICTリテラシーの低い生徒がいることも事実です。

導入する際はもちろんですが、運用時にも注意が必要です。

 

導入時

 

・目的を明確にしておく

タブレット導入の最大の目的は学習に活用することです。

環境整備、導入費用面においても膨大なコストを要するため、目的を明確化して費用対効果を得られるようにしましょう。


・生徒、保護者に守ってほしいルールを決める

導入の目的に繋がる部分でもありますが、生徒、保護者ともに「学習の活用」であることを共通認識として持ってもらうことが重要です。

充電やWifiなど自宅の環境を使用することもあるため、生徒、保護者の協力も不可欠です。

トラブル時の対応も含めて、事前にルールを共有しておきましょう。

 

運用時

 

・セキュリティ

端末を自宅に持ち帰ることを前提とする場合、個人情報をはじめとした情報管理には最善の注意を払う必要があります。

学校外でトラブルにならないようにウェブページのアクセス許可や権限を付けるなどの対策が必要です。


・定期的に活用法の研修を行う

運用開始後は、うまく活用出来ている教員・生徒、出来ていない教員・生徒を把握して、定期的に活用方法の研修や授業を行い、タブレットやシステムの習熟度を上げるようにしましょう。


・ハードウェアのトラブル時の対策

タブレットは機械なので、もちろん故障や不具合があります。授業がストップしないよう、故障した場合に備えて貸し出し用の予備端末等を準備しましょう。



5. まとめ

 

これまでの情報技術の発展などを考慮すると、学校におけるICT化は有益で今後は不可欠になることが想定されます。

ICTを用いて、より良い学校環境づくりや生徒の主体的な「学び」が広がっていくように期待したいところです。


 

票簿会計センターでは、保護者・生徒との連絡ツールとして、スクールマイスター#という製品をご提供しております。

タブレットを利用して教室で出欠の入力や、保護者へのアンケート、通知表の公開など充実した機能を搭載しております。

これを期に検討してみてはいかがでしょうか。


参考:票簿会計センター スクールマイスター


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